養生館はるのひかり
昨春、箱根で泊まった「養生館はるのひかり」がとてもよかった。
コロナ禍となり、部屋で仕事をすることが増えた。しかし、当時のわたしの部屋はとてつもなく荒れていて、仕事ができる雰囲気ではなかった。「これは逗留できる温泉を探すしかないか」と、CREAの「ひとり温泉特集」を探して見つけたのが「はるのひかり」だ。
最寄り駅の箱根湯本駅までは東海道新幹線で行く。小田原駅で箱根登山線に乗り換え。箱根湯本駅から徒歩で向かうのは勧められていないが、時間があったので歩いて行った。急勾配の坂があるので、本当にお勧めできない笑。帰りは待ってでも路線バスを使おうと心に誓った。でも、散歩にはちょうど良い季節だった。
20分くらい歩いて「はるのひかり」に到着。落ち着いた雰囲気で、ひとり客も多いらしい。連泊が推奨されていたので、2泊3日で予約した。
和室10畳の部屋。部屋も広いし、ちゃんと机があるのも嬉しい。疲れたら布団に寝っ転がっていた。宿に着いた途端に雨が降ってきたこともあり、外出はせずにひたすら部屋と温泉を行き来して過ごした。
野菜を中心にした「養生食」。いつも肉や魚をたくさん食べているので、野菜がメインの食事は新鮮だった。野菜は嫌いじゃないけど、別に好きでもない存在。でもここで食べたときは味が濃くて、歯応えがあって、時間をかけて食べるのも悪くないなあと思った。
温泉はぬるめから熱めまであったので、基本はぬる湯に入ってダラダラしていた。お風呂で読める文庫本が何冊かあり、夏目漱石や李白を読んだ。温泉でこんなに夏目漱石のことを考えることになろうとは。
自分より若い人は見かけなかったけれど、思ったよりは客の年齢層が幅広かった。みんな疲れているし、落ち着いた空間を求めているんだろうな、としみじみ思った。こういうひとりOKの宿がどんどん増えてほしい。