アラサーOLの備忘録

東京に暮らすアラサーOLです

「捨てられる銀行」

3年前の6月12日。「これ流行ってるし、経済の勉強になりそう!」と思い、とある新書をamazonで買った。買ったことに満足して、その本は3年間わたしの本棚で眠っていた。昔の本とはいえ、復職するときの参考になるかもしれないと思って読んだ。

 

捨てられる銀行 (講談社現代新書)

捨てられる銀行 (講談社現代新書)

 

 2016年に日経新聞を読んでいた人間なら「ああ、そういえば流行ったね」と言われそうな本。

 

経済学素人アラサーの(文学士です)感想色々。

  • 森信親(前金融庁長官)が既に退任している!(18年夏) うわー、去年読めばギリギリ間に合っていたのに・・・
  • 新書は出版直後に読まないとダメだな
  • その森前長官の話が結構な量を占める。本書でも期待の人材として描かれていただけに、終わり方を知っている身としては結構残念。スルガ銀行ェ・・・
  • 地銀が「債権回収」と「保全」に走ったことで、顧客からの信頼は失われた
  • 「事業性評価」という価値観がなかった。今まで金融庁に顔を向けていた
  • 地域金融こそ数字とともに人を見なくてはいけない。考えることが多い。「地域に貢献」という常套句をどれだけの銀行員が実行できているのだろう
  • 優秀な人は優秀な人材を見つけて目をかける。地方にも優秀な人材が多い
  • 考えるべきことはどの業種でも同じ。どれだけ改善提案をできるか

 

発行当時と状況が全く違うとはいえ、参考になる部分もある。わたしが読んでも興味深かったけれど、横浜銀行など地銀に勤めている友人あたりに読んでほしい(もう読んでるか)。

 

地銀が統合・再編して巨大な地銀グループが誕生すると、どうして地元の企業が元気になるのか。本当にそう言い切れるのだろうか

 地域経済を活性化するには、地銀再編よりも先に取り組まなければならないことがあるのではないだろうか

苦境に陥った企業や人々の生活を「地域の問題」として認識しているのか、「ゴミ」として認識しているのか 

 

地銀にこの辺の疑問を感じている人にはおすすめです。

 

ただ自分は基本的に金融に興味がないので、読み進めるのが結構辛かった。専門用語をいちいち調べての読書はそんなに面白くない。著者は続編も何冊か出しているらしいのだが、気分が上がっている時に「勉強だ!」と割り切って読みたい。