富山への旅10
(続き)
おいしい朝食の後に二度寝するのは旅の喜びの一つだと思う。普段の倍くらいたくさんのご飯を食べて、ぐっすり眠ると最高の気分だ。だから朝食に遅刻してもその後に眠ることだけはしっかりと考えていて、完食後は余韻に浸ることもなくさっさと部屋に戻った。レストランの人には申し訳ないが、食欲が満たされればあとは睡眠欲である。
チェックアウトは12時だから2時間は眠れるな、と思っていたが睡眠導入剤を飲まないからかなかなか寝付けなかった。amazon musicでヨーヨーマのアルバムをシャッフルしながら寝返りを打つが、どうしてもダメだ。仕方なく洋服を丁寧に畳んでリュックに入れ、時間を潰す。
寝付けずにぼーっとした目でチェックアウトした後も帰りの飛行機までだいぶ時間があったので、アート鑑賞とやらをやってみるかと外に出た。峡谷の水がきらきらしていて眩しい。
カエルも日光浴。
今すぐ飛び込みたくなるような美しさ。
カモの親子?が気持ちよさそうに泳ぐ。
有名作家から富山県関連の作家まで幅広い。平日の午前中は皆忙しいのか、人とすれ違うこともなく、1人でこっそりと作品を見ていた。暑くなってきたので館内のライブラリーコーナーに避難して、水を飲めるだけ飲んで現代作家の「李禹煥」に関する書籍や雑誌「プレミアム」を読んでだらだら過ごした。時間が無限にあるのなら、こういうところにずっといたい。
でも物事には終わりがある。13時にタクシーが迎えに来てくれたので乗り込んだ。人の良さそうな運転手さんが富山について教えてくれる。曰く、共働きが多く専業主婦の家庭は貧乏だと言われること(驚いた)、家のデザインでどれくらい稼いでいるか分かること、空港が市内から近いので市民は20分前に空港に着けば良いと思っていること、富山きときと空港の「きときと」は「ぴちぴち」とか新鮮とか、そういう意味だということ。
「空港には寿司屋とラーメン屋があるので行ってみて」と勧められたので、富山ブラックラーメンとお寿司をしっかりと食べた。ブラックラーメンは見た目よりジャンキーな味ではなく、全部食べられた。工業地帯のラーメンはしょっぱくて、ボリューミー。お寿司は言うことなしで、空港お寿司ランキングなら千歳空港を上回ると思う。
東京に帰る便は満席。新幹線が通ってから飛行機が小さくなったのだと客室乗務員の知り合いに聞いた。ぎゅうぎゅう詰めだったけれど、隣に座ったお姉さんとおじさんの感じが良くて全くストレスにならなかった。羽田に着いてからの首都高の渋滞の方がよほどイライラした。
勢いで行った富山だったけれど、何もプランを考えていなかったとは思えないほど楽しめた。また絶対行きたいので、お金を稼いで健康でいなくちゃな。
自分へのお土産の入浴剤とハーバルミスト。富山生まれのハーバルミストの香りが良くて、リピートしそうな勢い。枕元にシュッとかけると気分が落ち着く。おすすめです。