アラサーOLの備忘録

東京に暮らすアラサーOLです

富山への旅5

(続き)

 旅とは全く関係ない話だけれど、第二次性徴期から肩こりに悩まされない日はなかった。胸が膨らんだことにも、下半身に体毛が生えてきたのにもびっくりしたけれど、それより何より肩こりのひどさに驚いた。それまで肩が凝るなんて考えたこともなかったのに。今でも毎日100回くらい首を鳴らしているのは肩こりのためだと信じている。

 

 喘息(ずいぶん良くなった)のせいで激しい運動ができなかったこともあり、体を動かすのが嫌い。だから筋肉がつくようなことは人生で全くなかった。その代わりに大好きになったのがマッサージや整体。社会人になってからはデスクワークばかりで「今日はもう首が動かない。無理」と思った日はhot pepper beautyでマッサージ屋を探して行っていた。

 

 丸の内や銀座のマッサージ屋に「ほんとバキバキですね」「あなたの働き方は過去最低です」と言われるたび「そうでしょう!」と無駄に誇りに思っていたが、その実、肩こりはちっとも良くならなかった。でもマッサージは体を動かした気持ちになるから大好きで、東京に加えて旅先でもマッサージをお願いすることも多かった。

 

 前置きが長くなったが、宿を予約したときにセットになっていたトリートメントをしてくれるセラピールームに行ってみる。

セラピールーム「りふれ」|くつろぎに満ちた極上のひと時を。アロマトリートメントやアーユルヴェーダ等

 足を踏み入れた瞬間「これはセレブ感あふれるところに来てしまった」「叶姉妹が来ても全然おかしくないレベル」と若干ビビった。が、引いてばかりもいられないのでセラピストと肩こりや腰の張りについて話す。4種類のエッセンシャルオイルから2種類をブレンドしてもらったのに、なんだったか忘れてしまった。いつもは選ばないような樹木のような香りだった気がする。

 

 すぐに施術に入るのかと思ったら、高級そうなバスローブを渡され「露天風呂に10分浸かってきてください」とのこと。たったひとりで神通峡やその先の道を通る軽トラを見ながら入浴。非日常感がすごくて緊張していたのか7分くらいで入浴を終えそうになった。

 

 その後、部屋に戻ってトリートメント。セラピストの「始めますね〜」の声とともに流れてきたBGMが、寺の鐘のような音で驚く。さざなみや鳥のさえずり、変に南国のリゾート感があふれるものなどマッサージ中に様々な音楽を聴いてきたが「ゴーン・・・(余韻)」と鳴る寺の鐘は初めてだった。寺なんてずいぶん行っていない、平家物語の「祇園精舎の鐘の声」は実はさらさら流れる繊細な音なんだよな、とぼんやり思う。普通よりやや強目でお願いしたので、途中まで意識があってとても気持ち良かった。気づいたら終わっていたのはいつものことだけれど。

 

 目を覚ましたとき「あ〜、終わった」と思ったら、施術前に案内された露天風呂とは異なるジャグジーに案内された。ジャグジーの他にも広い露天風呂、サウナがあり、他に人がいなかったこともあってひとりで川を眺めながら「この時間が続けばいいのに」と思っていた。そしてこれを再び体験するためにお金を稼ごうとも。栃木・那須高原二期倶楽部でトリートメントが大好きになった母親も、ここなら満足できるだろう。

 

 東京に帰ってきてからもamazon musicで寺の鐘の音を探すなど、すっかり影響されている。メニュー表を見返すと、ミネラルファンデーションで有名なMiMCと開発したトリートメントも。今度は別のメニューも受けてみたいな。

 

(続く)